今回の首相案件問題は何となく、色々な要素が混在し、いいこともまずいこともごちゃ混ぜに論じられている気がします。民間でも社長関係者の案件は、社長案件というでしょうし、団体でも理事長案件とかの言葉はごく普通に使われていると思います。これを忖度云々の次元だけで論じるのは無理があるのではないでしょうか?おそらく県庁でも、知事案件という言葉が使われていることでしょう。誰の案件だろうと、そこに不当・不正な意向が働いたらアウトなわけですが、官僚が、首相案件と言ったとして、それがどれだけ問題なのでしょうか?大臣案件だろうが、社長案件だろうが、おそらく、一般案件との一番大きな違いは、ダメな場合の説明責任(あるいはOKの場合でも、ステークホルダーに対する説明責任)が、より丁寧にしなければならないということでしょう。首相案件という言葉が使われた段階で、官僚が首相に忖度して、本来ダメなものをOKにするというのならもちろん大問題ですが、そう決めつけること自体、あまりにも日本国の官僚を馬鹿にしていると思います。私も一昔前、議員秘書をしていましたが、陳情でも、依頼者が超有力者であったり、著名な大物だったりすると、対応というか処理が慎重かつ丁寧になったことは事実ですが、ダメなものはダメに変わりはありません。期待に応えられなかった場合の丁寧な断り方を先輩から教わったものです。こんなことが続いていると日本が世界に誇る官僚制度も長く持たないかもしれません。大事なことは総理が、有無を言わせず”やれ!”と官僚に指示した事実があるか否かだけのことです。まあ社長案件の場合はそうしたケースも少なくないでしょうが。

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